ヒストリカルVaRの改良 (日銀、安藤氏のペーパーより)

日銀のワーキングペーパー、論文は結構面白いのが多い。解説も多いし、難しくて全部読めなくても2〜3章まででその分野の問題点をまとめているので知りたいトピックについてざっと読むだけでも勉強になる。

ということで前回の記事でVaRを算出する手法をざっくり紹介して、ヒストリカル法は分布を仮定しないノンパラメトリックな方法のため簡単だけど観測期間をどうするかなどの問題があることに触れた。では、改良策はあるのかということで日銀のペーパーを読んでみた。

以下、章ごとに気になった点等をまとめ。

3章
(1)のイ:データ数が多くてもそのうち2個のデータをとって線形按分する方法は「標本分位点法」というらしい。前回記事だとこの方法を用いたが、こんな適当な方法にもカッコイイ名前がついてるんですね。

(2)では分位点の推定方法を3つ紹介している。1つ目の方法であるブートストラップ法は経験分布から重複を許してランダムに標本抽出・VaRを計算、を繰り返してその平均をVaRとする。2つ目はハレルデービス推定量によるもの。