獅子のごとく 黒木亮

黒木亮氏の最新刊、「獅子のごとく」を読んだのでまとめ。

獅子のごとく 小説 投資銀行日本人パートナー (100周年書き下ろし)

獅子のごとく 小説 投資銀行日本人パートナー (100周年書き下ろし)

黒木亮氏はこの他にも多くの経済小説を書いている。
トップレフト、巨大投資銀行、カラ売り屋etc。
プロフィール:
1957年、北海道生まれ。早稲田大学法学部卒、カイロ・アメリカン大学大学院修士(中東研究科)。銀行、証券会社、総合商社勤務を経て作家。長距離ランナーとして活躍し、大学時代は箱根駅伝に2度出場した。英国在住。

【以下ネタバレの可能性アリ】
「小説投資銀行日本人パートナー」とサブタイトルにあるとおり、ある投資銀行でパートナーにまで上り詰めた日本人のお話。

そもそもパートナーってなんだ、って話になりそうだからいわゆる投資銀行における役職を並べると、アナリスト<アソシエイト<バイスプレジデント<(エグゼクティブディレクター)<(マネージングディレクター)<パートナー、という感じか。小説の中でも途中で役職のシステムが変わったりしているけど、大体こんな感じだと思う(参考:ゴールドマンサックスHP http://ow.ly/4hJEK)

日本人で外資投資銀行のパートナークラスまで上り詰めた実在の人物は、明神茂氏、松本大氏、持田昌典氏辺りか。他にもいるかもしれないけど。

内容は…とにかくパートナーになる&昔いた会社を見返すことを目標にあらゆる手段を使って上り詰める、といったところか。そのプロセスでいろいろと出てくるけど。結末は…作者の別著と同じような印象を受けた。個人的には「巨大投資銀行」のほうが好き。

モデルがわかれば流れがわかって面白いかもしれないが、逆に展開が読めてつまらなくなってしまうかもしれない。

本の中に出てくる企業等のモデル
東立銀行:第一勧業銀行
エイブラハムブラザーズ:ゴールドマンサックス
逢坂:持田昌典氏(ゴールドマンサックス社長)
桐生ゆかり:片山さつき
西脇一文:西川義文
帝都鉄道:西武鉄道
檜垣:後藤高志氏
という感じか。

元ネタは週刊新潮らしいが、その辺は「kikulog(http://kikuchi-blogger.blogspot.com/2008/09/part1_29.html)」でも紹介されている。まあなかなか突っ込んでディールをとりにいくんだな、ということでその辺は(今ではあまり言われなくなったが)外資系といっても華やかなばかりではないということがわかってよいのかも。