外資系金融のExcel作成術

結局Kindleバージョンを購入。小説とかと違って、前のページに戻ったりする可能性のある実用書の類なので読みづらくなることを懸念したが幸いそんなことにはならなかった。

内容としては、
1)人間がちゃんと理解しやすい形に、
2)ショートカットキーを駆使しながら素早く表や計算を仕上げていく、
ということが慣用か。


まず1)については、例えば人間の目線は左から右、上から下に行くのが普通なので、時系列だったらその順番に書く、本当に注目してほしいとこにだけ色を使う、など。エクセルで大量のデータを処理していると、後からもう一行欲しいけどうまく入れられるスペースが少ないために時系列なのに下から上に作ってしまったりすることがあったりする。(自分だけかも?)で、こういうときはやはりミスが発生しやすい。ミスらなくても後でぱっと見てわからず、このシートで何やってんだっけ、と理解に時間がかかったり。

最初から何が欲しいか、何を表現したいかを考えて計画的に表を作ることが重要なのだろう。そして実はそのトレーニングは仕事全体で、あるプロジェクトを終わらせるには何のタスクが必要でどれくらいかかるのかとかを考える、ということにもつながるのかも。


次に2)について。これは良く聞く話だけど外資系の投資銀行だとやはり徹底的に鍛えられるようだ。F1キーを外してマウスはとりあげられ、、という訓練をするとこもあるらしい(F1は押すとヘルプが立ち上がって時間がかかるため)。自分は学生時代からエクセルのショートカットも多々使っていたので割と知っている内容も多く抵抗がなかったが、普段使っていない人にはただただ面倒だと思われることだろうと思う。が、絶対に身につけた方が良い。1日に何時間エクセルを触って、同じ作業をするかにもよるが、絶対的な時間も同じ作業に対する疲れも全く異なるといってよい。

今はショートカットの本とかもちまたにあふれているように思うが、思い返すと自分は最初はこれだった気がする。

たった3秒のパソコン術 (知的生きかた文庫)

たった3秒のパソコン術 (知的生きかた文庫)

なんでこんなの買おうと思ったのか全く思いだせないが、人生のかなりの時間を得しているな。こういうのは身につけるのが早いほどその後の回収できる期間も長くて得をするので、何度も使うような作業は、最初は抵抗があっても頑張って身につけるべきだ。本の中では著者も「新しく覚えたものは紙に書いてデスク周りに貼って覚えた」とあった。これは自分もよくやる。本を買わなくとも最近だと使えるショートカット一覧、みたいな記事がネット上に転がっていたりする。


ついでに軽く紹介すると、簡単なものでぱっと思いつくだけでも
Ctrl + C (コピー)、Ctrl + V (貼り付け)、Ctrl + S (保存)、Ctrl + N (新規オープン)、Ctrl + F (検索)、Ctrl + Z (ひとつもどる)、Ctrl + Y (ひとつすすむ)、Ctrl + P (印刷)
等が挙げられる。


書きながら思い出したけど、コントロール+A〜コントロール+Zまで、一つずつ押してみると面白い。おお、こんな機能があったのか!となったりする。どうせ壊れないのでぜひ試してほしいが、あくまで重要でないブック・シート上で行うことは言うまでもありません。


また、今思い出しながら書こうかと思ったが体で覚えているので正直頭で思い出そうとすると、あれこれであってるっけ?と感じてしまった。携帯電話とかゲームとかも最初どこがどのキーかわからいのが徐々に速く使えるようになるのと同じで、最初は書いてるのを見ながら使って徐々に→思い出して使う→体が反応する、というレベルにしていけばよいと思う。



ショートカットの話が長くなったが本の感想に戻ると、究極的には、誰が見ても説明なしに理解できる表、を目指すべきという趣旨のことがあったが、完全に同意。説明すればわかるだろう、は通用しないと思って初めからその水準を目指すように心がけよう。

また、全般として、外資金融等に限らず、日常的にエクセルを使われる方にとっては実務面で非常に良い本だと思う。が、あくまで作業面の効率化について書かれている本なので、財務分析の力、考える力は別途鍛えてその両輪を持てるように出来ればと思う。