勝ち続ける意志力

最近アマゾンで本を買いだめする傾向にある。今までは本屋でポップを見たり興味ある分野で面白そうだったらパラパラ見てから買う、としていた。しかし、アマゾンでは連想で進めてくるから興味ある本にすぐ出くわして、中身検索もせずにポイポイ買ってしまう。

そんな中で、連想検索におよそひっかかりそうもないこの本が薦められた。

プロゲーマー…?ゲーマーでもあくまで他に仕事があって、趣味の分野としてやっているものだと思っていたけどプロなんてあるのね、ということで読んでみたら久々にかなりヒットした。新書でこういうタイトルの本は、軽いタッチで成功下部分だけとりあげるものが多いように思うが、この本はその裏の苦悩・苦労・不安、そういったものも全て盛り込んだ内容となっており、新書らしからぬ読み応えがあった。中身としては結局のところ非常な努力家というように結論づけられてしまうかもしれないが、何故そこまで努力できるのか、しようと思ったのか、背景が書かれているために「こうすればよい」と理由もなしに書いている本とは説得力が違う。

ゲーマーが書いた「勝ち続ける意志力」というタイトルだと、ゲームの世界とか勝負事の世界だけの話かとも思われるが、日々の仕事やひいては人生にも通ずるところがあると感じた。ということでメモ。

  • 努力努力努力
自分が勝つためには、とにかく必死に頑張るしかない。才能すらもなぎ倒していく圧倒的なまでの努力

子供の頃に、暗記ゲームをしていたら姉が一瞬で覚えてしまった時、「ちょっと努力しても才能には勝てない、それにも勝にはもっと詰めた努力が必要と悟った、というくだり。

  • スタイルのない勝ち方

KOにこだわる人、守りが得意で時間切れで勝つことが多い人。こういったスタイルを確立しすぎてしまうことは危険だと。仕事では、自分のスタイルを確立するのは大事なことだと思っていたが、確かに相手に合わせたスタイルが求められることもあるし、もっと言うと職を時代のニーズに応じて適宜変えられることが必要かも?進化論でいう、強いものが勝つのではなく環境に適用できるものが勝つ、というのに通ずるかも。これに関しては、

だいたいの人は苦労して生み出したものに固執し、浸ってしまう。

とも書いている。MITメディアラボ石井裕氏も、MITにうつるときにはそれまでの研究を全て捨てて一からやれといわれ、当時はなんというアドバイスだと苦悩したらしいけど、それ以降のタンジブルビットの創出につながって、結果的には良かったと言っていた。もちろん苦労して何かを生み出す前に次々とうつってばかりでもいけないのだろうけど、固執しないで常に新しいチャレンジを続ける姿勢が重要なのだろう。

成長というのは、とにもかくにも同じ場所にいないことで促進される。

なるほど。

  • 計画よりも目の前のことを

「このときまでにXXXを」という目標をたてないらしい。それよりも目の前のことをやっていればちゃんと登れると。仕事だとスケジュール感ナシに進むのは危険だと思うんでまねしづらいけど、一方で個人の勉強とかだと、計画倒れになるような計画を作ってしまいがちなので、大局観を持ちつつもちゃんと目の前のことをこなすのは重要。当たり前だけど自分が苦手な部分・出来てない部分なので反省。

  • 休日のない生活

一日のなかで休む時間帯、というのはあっても、休日をあえて設けることはしないとのこと。変に休むとまたエンジンかけるのに時間かかったりするので、これもうまく導入したい。

ということで、効率求めまくって私生活ボロボロになってしまうサイボーグを生み出しそうな本とは違って、著者の体験に基づいた適切な努力の仕方を説いていると感じられる、久々にヒットな本でした。