超格差社会アメリカの真実

まだ途中までしか(8割くらい)読んでないけど、書評。

超・格差社会アメリカの真実 (文春文庫)

超・格差社会アメリカの真実 (文春文庫)


いやー、すごい本。

タイトルの通り、アメリカ国内の格差の様子について説明している。最初に、生活水準等から4つの階層に分け、それらの各階層に属する人々の具体例をあげてイメージを持たせ、そのあと歴史的経緯等からなぜこのような階層が出来上がったのか、それでもなおアメリカが人を引き付けている(ようにみえる面もある)のはなぜか、というように続いていく。

自分にとっては表記が若干難しいようなところもあったが、それでも全体的な流れとして歴史も多少紐解きながら説明されることで理解も深まったように思う。ある大国に目を向けた本だと、とかく迎合主義か協調主義かという立場がとられがちで(それはそれで大事だが)、一面的にしか見えないことがあるように思えるが、中立的な立場から説明されているので異なる視点を得られる。

加筆も2009年なので、それからいろいろな材料が出てきて状況的には出版時と異なっている面もあると思うが、前半の歴史的経緯と上流階層によって物事が決まる構造というのはなかなか立ち消えるものでもないと思うので、参考になると思う。