採用基準
- 作者: 伊賀泰代
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2013/01/28
- メディア: Kindle版
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著者はマッキンゼーで採用マネージャを務められた方。マッキンゼー時代の経験を通して、今求められているのはリーダーシップということを語る。あくまでマッキンゼーの経験が主だが、それはたまたまその職場でリーダーシップを求められることが多かったために例として挙げているだけであって、他の職場にも当てはまるという趣旨だろう。
現実問題としては著者の主張・考え方が受け入れられづらい職場もあると思うが、個人的にふだんから意識することによって改善できると思うのは、
・思考意欲、体力は一朝一夕には身につかない
・短時間で「どんなバリューを出したか?」と問われ続けることで生産性があがる
・「今やってることはどんなバリューを出すか」を強く意識するようになる
・調べてばかりでなく「どこまで調べたら動くか」も意識的に考えておく
・「チームの成果は何で」「その成果に個人としてどう貢献したか」
このあたりか。自分では考えてるつもりでもいつのまにか「どうしようかな」と悩んでいるだけのことがある。これは、どこまで調べたら動くかを考えないままに、プランA〜Cのメリットデメリットを挙げてどれも総合点では同じになっているだけの状態。それを上記を意識しておけば、総合点が変わるように別の軸を用意して調べるのか、総合点は同じだからとりあえずAで行って途中不利になったらBかCに切り替えるのか、などといった判断も出来るだろう。「バリューを出したか」に関してはアウトプットを意識して仕事をする気持ちを高める必要がある。あとはチームの成果+個人の成果に関しては、自分がやったことをちゃんと説明する力、それに加えてある意味でアピールの仕方にもつながると思うので同時に意識したいところ。
よりジェネラルな話で気になったのは、
・「今は存在しない世界」を0からイメージして造り上げる力も必要
・世の中には「どうすればいいかみんな分かっていても、誰もやらない」問題がある
・博士が活躍できてないのは、「専門知識しか持っていないから」。それにリーダーシップを加えると代わってくるはず
というあたり。1つ目はその人の組織におけるフェーズなんかにもよるかもしれないが、自分のいる場所+2段階位上の人だったらどうするかを考えてみると、上記に等しいかも。
かなり強いメッセージが込められていて、面白い本でした。