この国を出よ
2-3年前に出版された本の文庫版。一応加筆修正されているらしいということと、最近はてな匿名ダイアリで色々と話題なので読んでみた。
- 作者: 大前研一,柳井正
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2013/01/04
- メディア: 文庫
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全体的には、タイトルの通り「もっと自分や日本の将来について真剣に考え、厳しいけれども自己研鑽しながら戦っていこう、その際には日本を出る経験が必要だ」という論調。
・よかったとこ
・21世紀の教育の目標
21世紀の教育の目標は、日本が「飯を食べていける人材」を育成・輩出できるようにすること。これには全く同意。もうちょっというと、最近は知識だけだったらインターネットを通じて昔よりも簡単に手に入れることができるようになった。wikiはもちろんだし、open univ系のサービスを使えば海外一流校のクラスだって受けられる。その中で、知識よりも(というかある程度の基礎知識に加えて)それを応用して新しいものを作り出す力が求められていると思う。その点において、知識偏重の教育が最重要な時代は終わっていると思うので、ディスカッション・プロジェクト等を通じた知識+αを生み出せる教育が必要だと思う。それが、飯を食べていける人材の育成・輩出にもつながるはず。
・国家予算の置き換え
予算80兆とか言われてもピンとこないので、家計のように万円単位で考えると…という話。人に実感を持ってもらうときにはこういうたとえの方がいいなと。
・コーポレートメモリー
会社の知識・経験の蓄積。日本企業は引き継ぎがしっかりしているし人間関係もドライじゃない点で海外よりメモリはたまっているように思ったが2人によるとそうではないらしい。普段から意識して人の仕事を見るようにしたい。
・北欧教育の一つ「コミュニティにどう貢献できるかを考える」
北欧ではこれも重要視されているらしい。知識はある程度必要だと思うが、あくまでアウトプットのためのものであるべきだと思う。その点において、「どう貢献できるか」を前提とした勉強はとても効率が良いように思う。また、コミュニティのために動くことで異なる世代との交流も生まれるとのこと。大学なんかだと、なかなか40−50の人々と話す機会はなかったりして、会社入ると突然そういう関係も生まれる。これも一つのハードルだと思うので、それを取り除く意味でも、家と会社・学校以外のコミュニティを持つことは重要だと認識。
・企業参謀
読む。
・いまいちだった所、よくわからなかったところ
・政治批判?
まず、中身の25%くらいが政治批判になっているのは意外かつあんまいらないと思う。日本の借金が約1000兆に達しようとしていて、それにも関わらず何も対策を打っていない・やりきれていない政治家達に批判の矛先を向けて、ヤバいという意識を共有させた上でではどうするかという流れのようだったが、大前研一ならもっと数字ベースの新しいインサイトを載せてほしかった。
・ドラッカー
「もしドラを読んでもドラッカー自体は読まない」。これは確かにあまりよい姿勢ではないかもしれない。一方で、下記の本の著者、入山章栄氏によると、「ドラッカーなんて読まない」そうな。へーってことでメモ。
世界の経営学者はいま何を考えているのか――知られざるビジネスの知のフロンティア
- 作者: 入山章栄
- 出版社/メーカー: 英治出版
- 発売日: 2012/11/13
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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