世界で勝負する仕事術

世界で勝負する仕事術 最先端ITに挑むエンジニアの激走記 (幻冬舎新書)

世界で勝負する仕事術 最先端ITに挑むエンジニアの激走記 (幻冬舎新書)

twitterで話題になっていたので買ってみた。

・「朝日を見ないで夕陽を見る」
就活生は、朝日を見ないで夕陽を見ると揶揄されたりするらしい。引き合いに出されるのは、人気企業ランキング(コチラによくまとまってる)。

これは、多分就活生のほうも重々承知している。誰だって斜陽産業よりもこれから伸びる企業に入りたいに決まっている。でも、今人気の企業が斜陽なのか、定番になりつつあるのかがわからないというのが実際のところだと思う。

本書においては、トランジスタの例とフラッシュメモリの例が記述されていたが、まさに多くの学生はトランジスタの方に飛びついてしまうのだろう。一方著者の方は、直感で決めただけで、先見の明があったわけではないと書いているが、信念を持って会社のお荷物とされながらもフラッシュメモリに賭けたという点がさすがというべきか。

・エンジニアがなぜMBA
エンジニアがなぜMBAか。これは、昨今は経営のわかる技術が求められているという潮流ができているので今となってはそこまで不思議な選択ではないかもしれないが、おそらく当時は変わったアイディアだっただろう。この中で非常に参考になったのは、組み合わせで誰もやっていない部分を見つけるという点。技術者なら技術に特化してプロフェッショナルとなるというキャリアがまず考えられるが、著者の方はMBA×エンジニアという、当時は少なかったであろう組み合わせによってキャリアを築いた。昨今はMOTのように技術と経営を組み合わせたものが脚光を浴び始めているので、ここでも著者の選択は正しかったと言えよう。

・適応力を身につける
おわりに、ではどうせ将来は予測できないのだから適応力を身につけるのが重要だと説く。著者の方は、意識してかそうでないのかはわからないが、そのときそのときで全力で物事に対応してくることで、結果として適応力がついたのだろう。まさにスティージョブズのconnecting the dotsではないか、と感じた。

結論、自分なりに考え、3-5年先程度を見据えながら行動に移していく。そこに尽きるのだろう。