デリバティブ信用リスクの管理

新版 デリバティブ信用リスクの管理 (金融職人技シリーズ NO. 47)

新版 デリバティブ信用リスクの管理 (金融職人技シリーズ NO. 47)

信用リスクとは、取引相手がデフォルトするなどすることによって、本来の勝ち分を取りっぱぐれるリスクである。

信用リスクの管理方法として、そもそも倒産しそうな人には貸さない、倒産しても元本を回収できるだけの量を貸す、という考え方から、リターンが見合うならある程度のリスクはとっても良い、というように変わってきている。

ローンの与信の場合は、基本的に価値が変わらないので一度設定すればその額を守ればよいが、デリバティブの場合には時価が変動するため、時価分布を考慮したリスク管理が必要となり、数理的な要素が求められる。

基本的には、正規分布を仮定し、リスクファクターがKσ以内の変動に収まるとして最大の損失を見積もっておく。そのため、何をリスクファクターとみるか、どうやってボラティリティを測るか、ということがカギになる。

商品別にみた場合、通貨スワップでは満期に元本交換があるため、先物に類似したプロファイルとなる。つまり、満期に近づくに連れて信用リスクの値が大きくなる。先物との違いは、満期の交換レートである。通貨スワップでは、期中に金利のやりとりがあるため、満期と初期の交換レートは同等である。

一方金利スワップは、時価金利差×残存年数、であるため、プロファイルは時間の経過と共に一度増えて最終的に0になる。