年収150万円で僕らは自由に生きていく

星海社の文章講義とかなんとかいう本を買いに行ったけど見当たらなかったので、代わりに去年からずーっと気になっていた、イケダハヤト氏の本を購入。

年収150万円で僕らは自由に生きていく (星海社新書)

年収150万円で僕らは自由に生きていく (星海社新書)

売り場で携帯でレビューチェックしたらまあまあよさそうだった気がするけど、今改めて見たら大荒れですね。最初携帯で見たのは気のせいか。レビューだと「ゆるふわ」な論調すぎてとてもとても・・・と書かれているが、このように生活水準を下げ切っておいて、どの程度までは我慢できるのか、それに対してどういう働き方をするのかということを考えておくのは必要だろう。以下、気になった点のメモ。

安心を得るための貯金に終わりはない
まずこれ。これは本当その通り。本当にめちゃめちゃ稼いでいる人は知らないが、程度の差はあれ、将来に不安を抱いていると思うが、その根本的な原因は結局生活ができるかということ。そこで貯金ということになるのだが、ある程度おかねがあっても、今度はハイパーインフレが心配になったりする。ないよりはあったほうがいいが、そこに縛られてしまうと楽しさは減ると思うのでいくら貯めても不安が消えることはないと気づいて、短期的に安心できる程度になったら別のものに使った方が良いだろう。

パーソナルセーフティネット
人脈が一番の例だろうが、個人的な関わりを増やして、いざ自分が困った時に助けてくれるであろう人々を増やすという考え方。これは本当にその人が助けてくれるのかとかいろいろツッコミどころはあるが、この本のようにコミュニティ内で助け合おうという主張には欠かせない考え方だろう。

コミュニティの増加
家族、会社以外に所属するコミュニティが増えるのでは、という論調。実際増えるかまではわからないが、3つ目以降のコミュニティを持っている人の方が人生を楽しめる気がする。

給料半分でも今の仕事を選ぶか
友人が「ただでこの仕事やるかって言われたらやらないなぁ。」と言っていたのとオーバーラップした。

家族の住むシェアハウス
これもかなり気になる。正直、シェアハウスをしている人々を見ると、気楽だろうけどそのまま30、40となっていってしまわないのか、家族が出来たらこの人たちはどうするんだろうとか思っていた。独身だからできる生活でしょう、と。だけど、今後はそこで知り合ったカップルなんかから、家族が住むシェアハウスが生まれてくるかもしれない。

個人的には、高齢者社会になって、老人ホーム等の供給が足りなくなったり、個々で生活するよりも集まって生活するほうがlいろいろ効率よい、心地よいということに気づいて、拡大家族がまた増えるのではと思っているが、もしかしたらそういう「縦方向へ伸びる」コミュニティではなく、「横方向に伸びる」コミュニティが増加して行くのかもしれない。

その他
長野県下條
住民で道路を作るという事例。脱線するけど、地方都市の統治のあり方として面白いしヒントになるかも。

コラボル
プロボノを行うとっかかりとして紹介されていたので見てみよう。

というわけで賛否両論あるとは思うが、参考になる面も多々ありました。あと、レビューで「旅行先で友達の家に泊まるなんて貧乏」みたいなことを書かれている方がいらっしゃいましたが、まさにここに完全なギャップがある。もうこれを貧乏とかいう軸で考えていないんだよね、イケダハヤト氏は。満足なんだからそれでよくて、高いところに泊まりたいなんて・お金をかけて泊まろうなんて、全く考えてない。こういうギャップは一生埋められないものだろう。そして埋める必要もないと思う。みんな違うんだから。という発想にイケダ氏は近いのではないか。

この本で紹介されているような働き方やその裏の論調をもっと論理的かつ体系的に知りたい方には、フリーエージェント社会の到来、という本がオススメ。